バーチャル・リアリティ三年後期・2026

第2章 / 01 · 8節

カメラ位置から1PPと3PPを判定する

前に確かめる:一人称と三人称両眼立体視位置と姿勢

この節の目次

運転席から道路を見るゲームと、車の後ろから車体ごと見るゲームでは、見える範囲が違う。この章では、見る位置を変えたときの身体の感じ方と成績を調べる。その入口として、映像のどこを根拠に1PP/3PPを判定するかを決めよう。第1章の一人称と三人称を使う。

同じカップを、本人の眼から/背後から見る

仮想空間で利用者を表す身体やキャラクターを、アバターという。アバターが机の赤いカップへ手を伸ばす場面を考える。計算機は、画像を作るための視点の位置と向きを設定する。この設定を仮想のカメラと呼ぶ。撮影機を実際に置くという意味ではない。

本人の眼に相当する位置から画像を作れば、一人称視点(1PP:First-Person Perspective)になる。本人の身体から離れた位置、たとえば背後から画像を作れば、三人称視点(3PP:Third-Person Perspective)になる。本人の眼からも自分の手は見えるので、手が画面に映ることだけでは3PPと判定できない。

同じ場面を、二つのカメラ位置から見る

一人称:本人の眼から見る

本人の眼から、カップへ伸ばした自分の両手を見る。

自分の手が映っていても、眼の位置が基準なら1PP。

三人称:本人から離れて見る

本人の後方から、背中と伸ばした腕とカップを見る。

本人の背中と机の関係を、外側の視点から見る。

判定の基準は、身体の有無ではなく本人に対するカメラ位置。

AI生成の説明用イラスト。机・カップ・伸ばす動作をそろえた例。精密なカメラ配置や姿勢を測定した画像ではない。

1PPでは手元とカップを直接見られる。背後の3PPでは背中も含めて身体と机の位置関係を見渡せるが、身体が手元を隠す場合もある。カメラ位置の変化は、使える視覚情報の変化になる。どの見え方が課題に役立つかは、課題の要求と合わせて考える必要がある。

講義p6の鳥瞰視点は、上方から見下ろす配置を指す。身体から離れた3PPの一例だが、低い位置で背後から見る3PPまで全部「鳥瞰」と呼ぶと、高さの違いが分からなくなる。

視点を変えても、動作反映と立体表示は選べる

カメラを背後へ移したまま、利用者が右手を上げるとアバターの右手も上がるようにできる。頭を回したとき景色が対応して変わるようにもできる。身体の動作を測り、体験へ反映するという第1章の身体性は、3PPでも実現できる。

また、左右の眼へ、その眼の位置に対応する異なる画像を送るのが両眼立体視だった。背後の視点でも、そこに左右一対の視点を設定して対応画像を作れる。1PP/3PPは「本人に対してどこから見るか」、立体視は「左右の眼へどんな画像を送るか」を答える分類なので、別々に確認する。

確認する問い 調べる設定
本人の眼から見るか、身体から離れて見るか カメラの位置。比較では高さ・向き・視野(見える範囲)も記録する
利用者の動きが体験へ反映されるか 身体の計測と、表示・アバター動作への対応
両眼立体視を使うか 左右の眼へ届ける対応画像

この三つの設定だけでは、利用者が「その身体は自分のものだ」と感じたかは分からない。次の節では、装置の設定から、人が感じた内容へ問いを移す。

新しい装置の説明を直す

自作の理解確認: 身体の後方から見る映像で、利用者が頭を回すと景色が対応して変わる。左右の眼へも対応画像を送る。「身体が見えるので3PPであり、3PPだから動作反映も立体視もない」という説明の、正しい部分と直す部分を答えよう。

解答と根拠

身体の後方にカメラを置くので3PPと判定できる。身体が映ることだけを根拠にはしない。頭の動きに景色が対応するので動作反映があり、左右へ対応画像を送るので両眼立体視も使っている。カメラ位置の分類から、この二つがないとは言えない。

根拠:第2回 PDF p6・7 出典の詳細

この節を読んだあと、自分の言葉で説明できた?

記録はこのブラウザだけに保存。理解の自動判定ではない。