発言の根拠から、身体性の三要素を判定する
自作演習 / 先に仕組みを読む
解説付きの例題
問題: 利用者は「アバターの腕を思いどおり動かせた。でもその腕は他人の腕に感じた」と答えた。運動主体性と身体所有感について何が分かるか。また、自己位置感覚について何が未確定か。
求めるもの: 発言を三要素へ対応させ、情報がない要素を保留する説明。
使う考え方: 制御の問いは運動主体性、身体への帰属の問いは身体所有感、居場所の問いは自己位置感覚。
考える手順:
- 「思いどおり動かせた」は、自分の意図で動作を制御した感覚を述べる。運動主体性への肯定に対応する。
- 「他人の腕に感じた」は、自分の身体ではないという帰属を述べる。身体所有感への否定に対応する。
- どこに自分がいると感じたかは述べていない。制御できたという発言から居場所は決まらないため、自己位置感覚は保留する。
最終答え: 運動主体性は肯定され、身体所有感は否定されている。自己位置感覚は未確定。
答案文: 利用者は腕を自分の意図どおり動かせたと感じるので、運動主体性への肯定がある。一方、その腕を他人の腕と感じており、身体所有感への肯定はない。居場所の発言はないため、自己位置感覚は判断できない。
確認する採点語: 意図による制御/身体への帰属/居場所は未確定。これは学習用の確認点で、実際の試験の採点基準ではない。
ヒント付きで解く
問題: 「見えている身体が自分の身体だと思った。しかし腕は勝手に動き、自分が動かした感じはしなかった」という発言を、身体所有感と運動主体性へ対応付けよ。自己位置感覚についても、判断できるか答えよ。
ヒント: 身体が誰のものかと、動作を誰が起こしたと感じたかを分ける。場所の発言があるかも読む。
答えと理由を確認する
解答と理由: 「自分の身体」は身体所有感への肯定。「自分が動かした感じはしない」は運動主体性への否定。居場所は述べておらず、自己位置感覚は未確定。一つの要素が強いことから、他も強いと決めない。
自力で解く
問題: 「仮想の身体が立つ場所に自分がいると感じた。環境の中に存在する感じもあった」と利用者が答えた。前半・後半は何に対応するか。この発言だけで運動主体性と身体所有感を判定できるか、根拠を添えて答えよ。
答えと理由を確認する
解答と理由: 前半は仮想身体の位置にいる自己位置感覚、後半は環境に存在するプレゼンスに対応する。動作を自分が制御したか、身体を自分のものと感じたかは述べていないため、運動主体性と身体所有感は未確定。身体内の居場所と環境への存在感も、質問の対象を分ける。
つまずき
「身体性が高い/低い」へ一括する前に、発言を制御・帰属・居場所へ対応させよう。装置が動作を反映した事実と、本人が自分で動かしたと感じた回答も、同じ証拠として扱わない。
根拠:第2回 PDF p9・12 出典の詳細
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