四つの特徴を事例へ対応付ける
自作演習 / 先に仕組みを読む
解説付きの例題
問題: ある装置は、利用者の眼に相当する位置から左右の眼用の映像を出し、頭の回転と移動を計測して、対応する景色を短い遅れで更新する。講義の四つの特徴を、記述中の挙動へ対応付けて説明せよ。定量的な性能評価は与えられていない。
求めるもの: 一人称視点・三次元性・身体性・リアルタイム性に対応する根拠。
使う考え方: 視点はどこか/左右へ何を出すか/身体の何を反映するか/いつ反映するか、の四つの問いに分ける。
考える手順: 特徴名を並べる前に、問題文のどの挙動が根拠かを一つずつ拾う。
- 眼に相当する位置から見るので、一人称視点に対応する。
- 左右の眼に対応する映像を使い、両眼視差の手掛かりを作るので、三次元性に対応する。
- 頭の回転・移動を環境の見え方へ反映するので、身体性に対応する。
- 動きに応じた景色を短い遅れで更新するので、リアルタイム性を目指す挙動に対応する。ただし「短い」の具体的な性能を保証する数値はない。
最終答え: 四つの特徴それぞれに、問題文の具体的な挙動を結び付ける。
答案文: 本人の眼の位置から見る点が一人称視点、左右の眼に対応する像を表示する点が三次元性に対応する。また、頭の位置と姿勢を見え方へ反映する点が身体性、動きに応じて表示を素早く更新する点がリアルタイム性に対応する。実際に十分な性能かは、遅延などの評価が必要である。
確認する採点語: 特徴と挙動の対応/位置と姿勢/時間差/性能の断定を避ける。実際の試験の採点基準ではない。
ヒント付きで解く
問題: 本人の眼の位置から左右の映像を表示するが、頭を回しても映像は同じままの装置がある。四特徴のうち、問題文から根拠を示せるものと不足しているものを説明せよ。
ヒント: 表示の視点と左右の像はある。身体の動きが映像へ反映されるかは別に見る。
答えと理由を確認する
解答と理由: 一人称視点と両眼立体視による三次元性には根拠がある。一方、頭の動きが見え方へ反映されないため、この挙動だけでは身体性が十分とは言えない。動きに応じた更新そのものがないので、その応答のリアルタイム性も示せない。
自力で解く
問題: カメラは利用者の後方にあり、利用者の全身が映る。頭の回転や移動で景色は変わり、更新は素早い。この記述から一人称視点を実現したと言えるか。また左右の眼へ異なる映像を送るかは書かれていない。三次元性について何が未確定か。
答えと理由を確認する
解答と理由: カメラが本人から離れた後方にあるので、この記述では三人称視点であり、一人称視点とは言えない。身体の動きと表示の更新に関する記述はあるが、左右の像の分離は不明なので、両眼視差を作る方式の有無は未確定だ。動きによる奥行きなど別の手掛かりもあり得るため、「一切奥行きがない」とは断定しない。
つまずき
装置の名前だけで判定せず、問題文に実際に示されている挙動を根拠にする。情報がない性質は「不明」として残す。
根拠:第1回 PDF p11・23・27・32 出典の詳細
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